開業・独立

美容室の内装費用は坪単価いくら?内訳・設備・レイアウトと、シャンプー台・セット面の寸法

美容室の内装費用の相場と坪単価、工事費の内訳、設備とレイアウト、費用を抑えるコツを整理しました。シャンプー台・セット面の台数と寸法、給湯器の号数の計算、設置費用の内訳、中古品の注意点まで解説します。

編集 山本 最終更新 読了 約22分
美容室の内装費用は坪単価いくら?内訳・設備・レイアウトと、シャンプー台・セット面の寸法

美容室の開業を考えたとき、多くの方が最初に頭を悩ませるのが「内装」です。結論から言えば、美容室の内装費用は坪単価30万〜60万円が一つの目安で、10坪の店舗なら300万〜600万円、居抜き物件を上手に活用すれば大幅に圧縮できます。ただし、金額の大小だけで判断するのは危険です。内装は集客・回転率・スタッフの働きやすさに直結する「投資」であり、削るべき費用と削ってはいけない費用を見極めることが成功のカギになります。

この記事では、美容室開業における内装工事費の坪単価と内訳、コンセプト設計の考え方、必要な設備・什器のリスト、レイアウトと動線の設計、そしてコストを抑える具体的なコツと施工業者の選び方までを、費用目安つきで詳しく解説します。全体像を先に押さえたい方は美容室の開業完全ガイドもあわせてご覧ください。

開業前に見ておく市場の数字
全国の美容所は 277,752施設(令和6年度・前年比+1.3%)、従業美容師は 579,768人(厚生労働省「衛生行政報告例(令和6年度)」)。施設数は増え続けています。

一方、2025年の美容室の倒産は 235件で過去最多(2年連続更新)。設立10年未満が49.0%、平均業歴13.0年、資本金1,000万円未満が9割超でした(帝国データバンク「美容室の倒産動向調査(2025年)」)。計画はこの分布を前提に組んでください。

1. 美容室の内装費用の相場と坪単価の目安

美容室の内装工事費は、店舗の状態やグレードによって大きく変動します。まずは全体感をつかむために、坪単価の目安を整理しましょう。

物件・グレード坪単価の目安10坪の場合の総額目安
スケルトン物件・高グレード50万〜80万円500万〜800万円
スケルトン物件・標準35万〜50万円350万〜500万円
居抜き物件(美容室からの居抜き)10万〜30万円100万〜300万円
簡易改装・部分改装5万〜15万円50万〜150万円

「スケルトン」とは、コンクリートむき出しの何もない状態の物件のことです。床・壁・天井・電気・水道・空調をゼロから作るため費用は最も高くなります。一方「居抜き」は、前のテナントの内装や設備が残っている物件で、それをそのまま活かせば内装工事費を大きく抑えられます。

坪単価が変動する主な要因は、(1)物件の状態(スケルトンか居抜きか)、(2)デザインのグレードや素材、(3)給排水・電気・空調などの設備工事の規模、(4)席数(セット面の数)、の4点です。特に美容室は水回りとシャンプー台の設置に費用がかかるため、同じ坪数でも飲食店以外の物販店より高くなる傾向があります。

なお、内装費は開業資金全体の中でも最大級の割合を占めます。資金計画の全体像は開業資金の総額と内訳で詳しく解説していますので、内装費だけでなく運転資金まで含めた計画を立ててください。

2. 内装工事費の内訳を理解する

「坪単価○○万円」と言われても、その中身が分からなければ見積もりの妥当性は判断できません。内装工事費は大きく次のような項目に分かれます。

工事項目内容費用の目安(10坪)
内装工事(床・壁・天井)仕上げ材、塗装、クロス、間仕切り100万〜250万円
給排水・設備工事シャンプー台への配管、給湯設備50万〜150万円
電気工事配線、コンセント増設、分電盤30万〜80万円
空調工事エアコン設置・移設30万〜80万円
照明工事ダウンライト、鏡前照明20万〜50万円
什器・家具セット面、チェア、待合ソファ100万〜200万円
サイン・看板外看板、ロゴ施工20万〜60万円

見積書を受け取ったら、これらの項目が明細として分かれているかを必ず確認しましょう。「内装工事一式」とだけ書かれた見積もりは要注意です。何にいくらかかっているのかが見えず、後から追加費用が発生しやすくなります。

特に美容室で費用がかさみやすいのが給排水・給湯設備です。シャンプー台を置く位置によっては床下に配管を通す工事が必要になり、位置を変えるだけで数十万円変わることもあります。物件選びの段階で「水回りをどこに設けられるか」を意識しておくと、内装費を抑えられます。物件選定のポイントは物件・立地の選び方で詳しく解説しています。

3. コンセプト設計が内装の土台になる

内装で最初にやるべきは、業者に見積もりを取ることではありません。コンセプトを固めることです。コンセプトとは「誰に、どんな価値を、どんな空間で提供するか」という店舗の軸です。

たとえば「30〜40代の働く女性がリラックスできる、上質でナチュラルな隠れ家サロン」というコンセプトなら、内装は木目やアースカラーを基調に、席間を広く取り、間接照明で落ち着いた雰囲気を作ります。一方「20代向けの明るくトレンド感のあるサロン」なら、白basedで照明を明るく、SNS映えするフォトスポットを設けるといった方向になります。

コンセプトが曖昧なまま内装を進めると、素材選びや照明、什器の色がちぐはぐになり、「なんとなくお金をかけたのに安っぽい」空間になりがちです。逆にコンセプトが明確なら、限られた予算でもメリハリの効いた印象的な空間が作れます。

コンセプト設計では次の項目を言語化しておきましょう。

  • ターゲット顧客(年齢・性別・ライフスタイル・価格帯)
  • 提供したい体験・雰囲気(キーワード3〜5個)
  • 参考にしたいサロンの写真イメージ(数枚)
  • 客単価と席数から逆算した想定売上規模

このコンセプトシートを施工業者やデザイナーに渡すことで、認識のずれが減り、打ち合わせがスムーズに進み、結果として無駄な手戻りコストを防げます。

4. 必要な設備・什器リスト

美容室の運営に必要な設備・什器を、費用目安つきでリスト化しました。開業準備の抜け漏れチェックにもお使いください。

設備・什器役割費用の目安(1台/式)
セット面(鏡・カウンター一体型)カット・施術の基本席1面 15万〜40万円
セットチェア(椅子)施術用の昇降チェア5万〜15万円
シャンプー台(シャンプーユニット)シャンプー・スパ30万〜80万円
給湯器・ボイラーシャンプーの温水供給15万〜40万円
待合ソファ・チェア来店客の待合スペース5万〜20万円
受付カウンター・レジ台会計・受付10万〜30万円
レジ/POSレジ会計・売上管理5万〜30万円
空調(業務用エアコン)温度管理30万〜80万円
タオルウォーマー・消毒器衛生管理3万〜10万円
スチーマー・ローラーボールパーマ・カラー加温10万〜30万円
薬剤棚・バックヤード什器在庫・作業スペース5万〜20万円

このうちシャンプー台は美容室の設備の中で最も高額かつ重要な投資です。1日の施術回数が多いほど耐久性と使いやすさが売上に効いてくるため、ここは安易に削らないことをおすすめします。中古品を活用する選択肢もありますが、水回りは故障リスクが高いため、保証やメンテナンス体制を確認しましょう。

セット面は席数を決める要素です。1面あたり必要な広さの目安は約2坪(通路含む)。10坪なら3〜4面が現実的です。開業当初はスタッフ数に対して席を作りすぎず、売上が伸びてから増設する方が資金効率は良くなります。

シャンプー台とセット面の台数・寸法、給湯器の号数の計算、中古品の注意点は、8章で詳しく解説しています。

レジ・会計まわりは「仕組み化」で差がつく

見落とされがちですが、レジ/会計まわりの設計は日々の運営効率を大きく左右します。紙の予約台帳と手打ちレジだけで始めると、予約管理・会計・顧客管理・在庫管理がバラバラになり、オーナー一人で回すには負担が大きくなります。

近年はPOSレジや予約システムを連携させ、予約から会計、顧客カルテ、リピート促進までを一元管理する運営スタイルが主流になっています。LINE連携で予約・再来店を促し、店販商品はEC(オンライン販売)でも売る、といった仕組みを開業時から用意しておくと、少人数でも効率的に店舗を回せます。

私たちが提供するサロン向けプラットフォーム「LIKE」は、LINEを軸にした予約・顧客管理・EC・POS連携を一つにまとめたサービスです。内装の受付カウンターを設計する段階から「どんな会計・予約フローにするか」を決めておくと、レジ台の広さや配線、タブレット設置位置なども無駄なく計画できます。開設を検討される場合は https://www.like.salon/regist/ から確認できます。

5. レイアウトと動線の設計

同じ坪数・同じ席数でも、レイアウトと動線の良し悪しで働きやすさと顧客満足度は大きく変わります。動線とは、人が店内を移動する経路のことです。

美容室で意識すべき動線は主に3つあります。

  1. スタッフの動線: セット面→シャンプー台→薬剤バックヤードの移動がスムーズか。1日に何十回も往復するため、この距離が長いと疲労と時間ロスにつながります。
  2. 顧客の動線: 入口→受付→待合→セット面→シャンプー→会計→出口が交差せず、他の客の視線が気にならないか。
  3. スタッフと顧客の動線の分離: 施術中のスタッフの動きが顧客の視界を頻繁に横切ると、落ち着かない空間になります。

レイアウトを考えるときのチェックリストを用意しました。

  • [ ] セット面とシャンプー台の距離は近いか(理想は10歩以内)
  • [ ] 通路幅は最低60cm以上、メイン通路は90cm以上確保しているか
  • [ ] 待合スペースから施術中の様子が見えすぎないか
  • [ ] シャンプー台は入口から見えにくい奥まった位置か
  • [ ] バックヤード(薬剤・タオル・休憩)が施術エリアと分離しているか
  • [ ] レジ・受付から店内全体を見渡せるか
  • [ ] コンセント位置がセット面・シャンプー台に合っているか

特にセット面とシャンプー台の距離は、スタッフの疲労と回転率に直結します。物件の水回り位置は動かしにくいため、レイアウトは水回りを起点に組み立てると失敗が減ります。

6. コストを抑える5つのコツ

内装費は工夫次第で大きく変わります。品質を落とさずにコストを抑える具体的な方法を紹介します。

(1) 居抜き物件を活用する 最も効果が大きいのが居抜きの活用です。前が美容室だった物件なら、シャンプー台の配管や給湯設備、セット面がそのまま残っていることがあり、内装工事費を半分以下に抑えられるケースもあります。ただし残された設備の状態確認は必須です。古い給湯器や配管は開業後すぐに故障することもあるため、契約前に業者に点検してもらいましょう。

(2) 優先順位をつけてメリハリをつける すべてを高グレードにする必要はありません。顧客の目に触れ、体験の質を左右する部分(セット面、鏡、照明、シャンプー台の座り心地)には投資し、バックヤードや見えない部分はコストを抑える。この「メリハリ」が予算配分の基本です。

(3) 什器は中古・レンタルも検討する セットチェアや待合ソファ、薬剤棚などは中古品やアウトレット、レンタルを活用できます。特に開業当初の資金が厳しい時期は、成長に応じて買い替える前提で初期投資を抑えるのも有効です。

(4) 相見積もりを取る 施工業者は必ず2〜3社から見積もりを取りましょう。同じ工事内容でも数十万〜百万円単位で差が出ることがあります。ただし安さだけで選ぶのは危険です(詳しくは次章)。

(5) DIYできる範囲を見極める 塗装や小物の設置など、一部をDIYすればコストを抑えられます。ただし電気・給排水・ガスなどの工事は資格が必要で、素人施工は事故や違反のリスクがあります。DIYは「見た目の仕上げ」にとどめ、インフラ工事はプロに任せてください。

7. 施工業者の選び方と見積もりの見方

内装の成否は施工業者選びで8割決まると言っても過言ではありません。業者選びのポイントを整理します。

美容室の施工実績があるか 美容室は水回り・電気容量・空調など特有の要件があります。飲食店や物販店の実績が中心の業者だと、シャンプー台の配管や必要な電気容量を読み違えることがあります。必ず美容室・サロンの施工実績を確認し、可能なら実際に手がけた店舗を見せてもらいましょう。

見積書の明細が細かいか 「一式」表記が多い見積もりは避けます。項目ごとに数量・単価・金額が明記され、何にいくらかかるかが追える見積もりが信頼できます。

追加費用の条件が明確か 工事が始まってから「これは別料金です」と追加請求されるトラブルは少なくありません。どこまでが見積もり範囲で、どんな場合に追加が発生するのかを契約前に書面で確認しましょう。

見積もりを比較するときのチェックリストです。

  • [ ] 複数社(2〜3社)から同条件で見積もりを取ったか
  • [ ] 項目が「一式」でなく明細化されているか
  • [ ] 美容室の施工実績と事例を確認したか
  • [ ] 工期とスケジュールが明記されているか
  • [ ] 保証・アフターメンテナンスの内容があるか
  • [ ] 追加費用が発生する条件が書面にあるか
  • [ ] 支払い条件(着手金・中間金・完工金)は無理がないか

安さだけで選ぶと、施工品質が低かったり、開業後の不具合対応が不十分だったりして、結局は割高になることがあります。金額・実績・対応・保証を総合的に判断してください。

8. シャンプー台・セット面の台数と寸法、給湯器、設置費用

台数は保健所の面積基準から逆算する

美容室を開くには、保健所への美容所開設届と、開業前の構造設備の検査が必要です(手続きの流れは美容室開業の手続き)。検査で必ず見られるのが、作業室の面積といすの台数です。

この基準は国が一律に決めているのではなく、自治体ごとに定められています。3つの自治体の資料を比べると、いすの数え方からして違います。

自治体数えるいすと、必要な面積
東京都(目黒区など)セット椅子・シャンプー椅子・コールド待ち椅子などを数える。作業室は13㎡以上で6台まで、それを超えると1台ごとに3㎡を加える
新潟県三条市セット椅子だけを数える(一部の施術にのみ使う椅子は含まない)。2脚まで9.9㎡以上、以降1脚ごとに3.3㎡以上を加える
広島市セットイス・シャンプーイス・ワゴンを合わせて数える。市の求積例では9.0+1.65×(台数−4)㎡以上

たとえばセット面2台・シャンプー台1台の店なら、東京都の基準では3台として数え、作業室は13㎡以上です。三条市の基準ではセット椅子2脚として9.9㎡以上になります。広島市の求積例では、ワゴン2台も含めた5台で10.65㎡以上と計算されています。

同じ店の図面でも、自治体によって必要な面積の計算が変わるということです。面積は壁の内側で測る「内法(うちのり)」で計算します。壁の中心で測った図面の面積より小さくなるので注意してください。

待合の場所も基準に入っています。東京都の目黒区は「作業室の6分の1程度」、三条市は「3.3㎡以上」を目安とし、どちらも作業室とはっきり区切ることを求めています。

物件を契約する前に、図面を持って管轄の保健所へ相談してください。台数を決めてから「面積が足りない」と分かると、席を減らすか、物件を探し直すことになります。物件選びの判断軸は美容室の物件・立地の選び方にまとめています。

セット面の寸法と間隔は「人が動けるか」で決める

「セット面 寸法」「セット面 間隔」と調べると、さまざまな数字が出てきます。しかし、セット面どうしの間隔をmm単位で定めた法令の基準はありません。保健所の基準が決めているのは、上で説明した面積と台数、床の材料、照明(作業面で100ルクス以上)、換気などです。

そのため、セット面の間隔は実際に施術するときの動きから決めます。図面の上で決める前に、次の動きが無理なくできるかを確かめてください。

  1. いすを回したとき:お客様を乗せたいすが、隣の席やワゴンに当たらずに回るか
  2. 背後を通るとき:施術中のスタイリストの後ろを、別のスタッフやお客様が通れるか
  3. ワゴンを置いたとき:左右どちらにワゴンを置いても、通路がふさがらないか
  4. ドライヤーを使うとき:コンセントの位置から、コードが通路を横切らないか
  5. カラーやパーマのとき:放置中にお客様が立ち上がって移動しても、ぶつからないか

いちばん確実なのは、床にテープで席と通路の位置を貼り、実際にいすとワゴンを置いて動いてみることです。居抜き物件なら、前の店の配置をそのまま測っておくと比較の基準になります。

セット面の数は、スタッフの人数で決めます。開業当初から席を多くしすぎると、内装費が増えるうえ、作業室の面積も多く必要になります。

シャンプー台は「倒したときの長さ」と「配管の位置」で決まる

シャンプー台には、お客様の頭の後ろにボウルがあるバックシャンプーと、横にあるサイドシャンプーがあります。現在の美容室ではバックシャンプーが一般的です。

寸法を見るときは、ボウル単体の幅と奥行きだけで判断しないことが大切です。製品のカタログには外形寸法(W×D×H)が載っていますが、ボウル単体なら幅は40cm台、いすと一体になった製品では90cm台と、製品によって大きく違います。

置き場所を決めるうえで大事なのは、次の3つです。

  • 倒したときの全長:お客様が横になった状態で、足元の先まで何cm必要か。足元を人が通るなら、その幅も足す
  • スタッフが立つ場所:シャンプーする人が、ボウルの後ろ側で無理なく立てるか
  • 配管の位置:給水・給湯・排水の管を、どこから引いてどこへ流すか

特に排水は、水が自然に流れるよう配管に傾きをつける必要があります。排水口から遠い位置にシャンプー台を置くと、床を上げて配管を通すことになり、工事費が増えることがあります。スケルトン物件では、シャンプー台の位置を排水の位置から先に決めると、後の手戻りが少なくなります。

洗い場には、洗髪用と器具洗い用を分けることを求める自治体があります(東京都など)。シャンプー台とは別に、器具や手を洗う流しの場所も、図面に入れておいてください。

給湯器は「同時に何台使えるか」を計算する

シャンプー台を2台以上置くときに見落としやすいのが、給湯器の能力です。

ガス給湯器の能力は「号数」で表します。号数は、水温より25℃高いお湯を1分間に何リットル出せるかを示す数字です。24号なら、水温+25℃のお湯を1分間に24リットル出せます。

ここから、実際に出せるお湯の量を計算できます。

1分間に出せるお湯の量(L)= 号数 × 25 ÷(使う温度 − 水道水の温度)

水道水が冷たい冬ほど、温める幅が大きくなり、出せるお湯の量は減ります。たとえば、使う温度を40℃、冬の水道水を10℃とすると、24号の給湯器が1分間に出せるお湯は24×25÷30=20リットルです。

一方、シャワーは流しっぱなしにすると、3分間でおよそ36リットル、1分間に約12リットルを使います(東京都水道局の節水の資料より)。これを当てはめると、次のようになります。

同時に使うシャンプー台24号の給湯器(冬・水温10℃、1分間に20リットル)で足りるか
1台(1分間に約12リットル)足りる
2台(1分間に約24リットル)足りない

2台を同時に使うなら、24リットル×30÷25=28.8号以上が必要という計算になります。実際には、器具を洗う流しでもお湯を使いますし、シャワーヘッドによって流量は変わります。

この計算は目安です。実際の号数は、使うシャワーヘッドの流量と地域の冬の水温を伝えて、設備業者に計算してもらってください。テナントによっては、給湯器を置く場所やガスの容量に制限があることもあるので、物件の契約前に確認しておくと安心です。

なお、洗髪設備に「給湯可能であること」を求める自治体もあります(三条市など)。

設置費用は「本体以外」を分けて見積もってもらう

シャンプー台やセット面の費用を比べるとき、本体の価格だけを比べると判断を誤ります。設置には、本体のほかに次の費用がかかります。

費用の項目内容と、確認すること
本体シャンプー台・シャンプー椅子・セット椅子・鏡。いすとボウルの組み合わせに制限がないか
搬入・据え付け運び込みと床への固定。入口・階段・エレベーターの幅が足りるか
給水・給湯の配管水道とお湯の管をシャンプー台まで引く。既存の配管をどこまで使えるか
排水の配管排水管と傾きの確保。床を上げる工事が必要か
給湯器本体と設置工事。号数、置き場所、ガスの容量
電源電動のいす、ヘッドスパ機能、ドライヤー。必要なコンセントの数と電気の容量

見積もりは、項目ごとに分けて出してもらってください。「設備一式」とまとめられていると、何が含まれていて何が別料金なのかが分かりません。内装工事全体の費用の考え方は美容室の内装費用、開業資金全体の中での位置づけは開業資金の総額と内訳で解説しています。

中古品を選ぶときの注意点

シャンプー台やセット椅子は、中古品も多く出回っています。新品より費用を抑えられますが、水回りの設備は故障すると営業に直接響くため、次の点を確認してから選んでください。

  • 保証の有無と期間:保証の対象外になる部品(クッションなどの消耗品)も確かめる
  • 付属品:床に固定するボルトやアンカー、シャワーヘッド、ホースが付いているか。付属しない場合は別に用意する
  • 陶器と金具の状態:ボウルのひび・欠け、水栓や金具のさび
  • 組み合わせ:シャンプーボウルといすが、同じシリーズでないと組み合わせられない製品がある
  • 型番と部品:型番を控え、交換部品が今も手に入るかを確かめる
  • 据え付けを誰が行うか:購入先が据え付けまで行うのか、自分で設備業者を手配するのか

中古品は本体が安くても、据え付けと配管の費用は新品と変わりません。本体の価格差だけでなく、設置費用の項目を足した総額で比べてください。

9. よくある質問

Q1. セット面とセット面の間は、何cm空ければよいですか。 A. 法令でmm単位の基準は定められていません。保健所の基準が決めているのは、作業室の面積といすの台数などです。いすを回す、背後を通る、ワゴンを置くといった動きが無理なくできるかを、床にテープを貼って実際に確かめてから決めてください。

Q2. 10㎡の部屋に、セット面とシャンプー台を何台置けますか。 A. 自治体によって答えが変わります。東京都の基準では作業室は13㎡以上が必要で、シャンプー椅子も台数に含めます。三条市ではセット椅子2脚まで9.9㎡以上です。図面を持って、管轄の保健所に事前に相談してください。

Q3. シャンプー台を2台置くとき、給湯器は何号が必要ですか。 A. 使う温度40℃・冬の水道水10℃・シャワー1台あたり1分間に12リットルとすると、2台同時なら約29号以上という計算になります。シャワーヘッドの流量や地域の水温で変わるため、設備業者に計算を依頼してください。

Q4. 中古のシャンプー台でも、保健所の検査に通りますか。 A. 構造設備の検査で見られるのは、洗い場が流水式であることなど、設備が基準を満たしているかどうかで、新品か中古かではありません。ただし、据え付けと配管は新品と同じように必要です。

Q5. 居抜き物件のシャンプー台は、そのまま使えますか。 A. 使える場合もありますが、給湯器の号数、排水の流れ、水栓やボウルの状態を確認してください。前の店と台数が違う場合は、保健所の面積基準も改めて確かめる必要があります。

10. まとめ:内装は「削る」より「配分」で考える

美容室の内装費用は、坪単価30万〜60万円、10坪で300万〜600万円が一つの目安です。居抜き活用や優先順位づけで大きく圧縮できますが、大切なのは総額を闇雲に削ることではなく、顧客体験と運営効率に効く部分へ賢く配分することです。

改めて内装計画の流れを整理します。

  1. コンセプトを言語化する
  2. 物件の状態(スケルトン/居抜き)と水回り位置を確認する
  3. 必要な設備・什器をリスト化し、優先順位をつける
  4. 水回りを起点にレイアウトと動線を設計する
  5. 複数の業者から明細つき見積もりを取り、実績・保証で選ぶ
  6. 予約・会計・顧客管理の仕組みも開業時から用意する

内装は一度作ると簡単には変えられない、長く付き合う投資です。目先の金額だけでなく、5年先の運営をイメージして設計してください。開業準備の全体像は美容室の開業完全ガイド、資金面は開業資金の総額と内訳、物件選びは物件・立地の選び方で詳しく解説しています。あなたのサロンづくりの一助になれば幸いです。

calculateこの記事に関連する無料ツール

verified出典・参考

制度の内容は改定されることがあります。手続きの詳細・期限・手数料は所轄の窓口で最新の情報をご確認ください。 当編集部の考え方は編集方針に記載しています。

この記事について

LIKE編集部(株式会社SALON CONCIERGE)が執筆しています。 美容サロン向けにLINE連携の予約・顧客管理サービス「LIKE」を開発・運用しており、 サロンボードとの連携や予約の自動化を、実際にサロン様の現場で導入・運用してきた経験にもとづいて書いています。

構成は編集部で組み、下書きの作成には文章生成AIを利用しています。 数値と制度の記述は一次情報にあたって確認し、編集担当(山本)が内容を確認してから公開しています。

発行 — 株式会社SALON CONCIERGE(2018年2月13日設立) 発行責任者 — 代表取締役 久保 佑太 所在地 — 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-34-15 新宿エステートビル9F-A

記事の内容は掲載時点の情報です。仕様や料金は各サービスの公式情報をあわせてご確認ください。 何を根拠に書き、どの分野は専門家にご確認いただきたいかは編集方針に記載しています。 運営会社について お問い合わせ

その悩み、LIKEで解決できます

LINE連携CRMで、新規を“資産”に変えて再来へ。
初期費用0円・月額1万円・縛りなし。まずは無料でご相談を。

関連コラム