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美容室のカウンセリングシート|載せる項目のテンプレートと、聞きにくいことを集める作り方

カウンセリングシートは、聞き漏れを防ぎ、口頭では聞きにくいことを集め、次回に引き継ぐための道具です。載せる項目のテンプレート、ヘアカラー前の確認、個人情報の決まりまでまとめました。

編集 山本 読了 約14分
美容室のカウンセリングシート|載せる項目のテンプレートと、聞きにくいことを集める作り方

初めてのお客様に、来店してすぐ書いていただくカウンセリングシート。「とりあえず紙を渡している」というサロンも多いのですが、項目の選び方ひとつで、聞き漏れ・聞きにくいこと・次回への引き継ぎの3つが大きく変わります。

この記事では、美容室のカウンセリングシートに載せる項目を、聞く頻度と理由つきで整理します。ヘアカラー前に確認すべきこと、健康に関わる情報を集めるときの個人情報の決まりもあわせてまとめました。項目の一覧は、カウンセリングシート 項目テンプレートとしてExcelでも無料でお使いいただけます。

先に結論

  • シートの役割は、聞き漏れを防ぐ・口頭では聞きにくいことを集める・次回に引き継ぐの3つです(1章)。
  • 項目は「毎回聞く」と「初回だけ聞く」に分けます。毎回の項目は少ないほど続きます(2章)。
  • ヘアカラーをする方には、過去のかぶれの有無と当日の肌の状態を毎回確認します。業界団体と国の報告書が、理美容師に確認を求めている項目です(4章)。
  • シートで個人情報を集めるときは、利用目的をシート上に示す必要があります。病歴などの健康情報は、本人の同意を得て集めます(5章)。

お客様がサロンを変えようと思った場面
美容室を「変えようと思った(変えた)」女性300人に、その場面を聞いた調査では、1位が施術(32.7%)、2位がカウンセリング(24.7%)でした。カウンセリングの場面で変えようと思った理由には、「施術について説明や確認をしてくれない」(27.0%)、「話や希望、相談を聞いてくれない」(20.7%)に加えて、「前回の施術内容や自分の悩みや希望を覚えていない」(11.7%)、「何度も同じ話を聞いてくる」(11.0%)が挙がっています(リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容サロン顧客満足調査2023(美容室編)」、複数回答)。

後ろの2つは、記録が残っていれば起きない不満です。

1. カウンセリングシートは何のためにあるか

カウンセリングシートの役割は、大きく3つあります。

役割シートがないと起きること
聞き漏れを防ぐ担当者や混み具合によって、聞く項目がばらつく
口頭では聞きにくいことを集める予算や会話の好み、健康のことを聞きそびれる
次回に引き継ぐ前回の内容を覚えていない、同じ話を何度も聞く

1つ目の「聞き漏れ」は、担当者の腕の問題ではありません。 言い方をそろえても、全員が同じ粒度で聞けるわけではないからです。「他のサロンのことを聞くのは失礼かもしれない」と遠慮して飛ばす人もいれば、遅刻や混雑でその日に聞ける量が減ることもあります。シートは、誰が担当しても同じ項目を必ず押さえるための道具です。

2つ目の「聞きにくいこと」は、書いてもらうほうが正直な答えが返ってきます。 「施術中の会話は少なめがいい」は、面と向かってはなかなか言えません。予算や、前のサロンを変えた理由も同じです。

3つ目の「引き継ぎ」は、書いて終わりにしないことが前提です。 シートの内容をカルテに移し、次の来店の前に読み返して、初めて「前回のことを覚えているサロン」になります。

2. 載せる項目のテンプレート

カウンセリングシートの項目は、毎回聞くものと初回だけ聞くものに分けて考えます。毎回の項目が多いと、2回目以降のお客様が書くのを面倒に感じます。

区分項目聞く頻度なぜ聞くか
基本情報お名前(ふりがな)・ご連絡先初回連絡手段がないと次回のご案内ができない
基本情報ご来店のきっかけ初回集客の経路ごとの効果を測る
今日のご希望メニュー・なりたいイメージ毎回仕上がりのずれを防ぐ
今日のご希望変えたくないところ毎回失敗の多くは「切りすぎ」「明るすぎ」
今日のご希望ご予算の目安毎回口頭では聞きにくい。提案の目安になる
髪の状態と履歴前回の施術・ブリーチや黒染めの履歴初回薬剤の選定に直結する
髪の状態と履歴ふだんのお手入れ・仕事の決まり初回再現できるスタイル、明るさの上限
安全に関わることヘアカラーでのかぶれ・当日の頭皮の状態毎回施術してよいかの判断に使う(4章)
過ごし方のご希望会話・終わりたい時間・シャンプーの力加減初回満足度に効くが、聞きそびれやすい
過ごし方のご希望前のサロンを変えた理由(任意)初回同じことを繰り返さないため
ご案内の可否次回のご案内を送ってよいか初回連絡してよいかを最初に確かめる

シートに載せる聞き方の例と、全項目の一覧はカウンセリングシート 項目テンプレートにまとめています。Excelのままお店の様式に合わせて直せます。

項目を増やしすぎない

項目は、多ければよいわけではありません。シートに書いてもらったのに、その内容を一度も使わない項目があれば、それは削ってかまいません。お客様には「書いたのに聞かれなかった」「書いたのに同じことを聞かれた」という印象が残ります。

迷ったら、その項目の答えによって、今日の施術や次回のご案内が変わるかで判断してください。変わらない項目は要りません。

任意の項目は「任意」と書く

生年月日、予算、前のサロンのことなどは、書きたくない方もいます。任意の項目には「任意」と明記しておくと、空欄でも気まずくなりません。誕生日は「月だけでも可」とすると、書いていただける割合が上がります。

3. 口頭では聞きにくいことを、シートで聞く

カウンセリングシートのいちばんの価値は、ここにあります。次のような項目は、口頭で聞くと遠慮や照れが入り、答えがぶれます。

聞きにくい項目口頭だと起きることシートでの聞き方の例
予算お客様は言い出せず、スタッフも聞きづらい「○○円くらいまで/特に決めていない」から選ぶ
会話の好み「静かにしたい」は面と向かって言いにくい「たくさん話したい/ほどほど/静かに過ごしたい」から選ぶ
前のサロンを変えた理由失礼だと思って聞かない「以前のサロンで気になったことがあれば(任意)」
悩みの深さ軽く言われて、本当の悩みを取り違える「いちばん気になっていること」を1つ書いてもらう
健康・アレルギー聞き漏らすと事故につながる同意のうえ、選択式で聞く(4章・5章)

ここで大事なのは、シートと口頭の分担です。

  • 全員から必ず集めたい項目は、シートに書いてもらう
  • その場で深めたい項目は、シートを見ながら口頭で聞く

たとえば「前のサロンで気になったこと」に何か書かれていたら、それを入口に話を広げます。初回のカウンセリングでどう聞き、どう答えを受け止めるかは、初回カウンセリングで必ず聞く質問で詳しく扱っています。

シートは、聞く技量に左右されない部分を同じ粒度で集めるためのものです。掘り下げは人がやる、という分担を崩さないでください。

4. ヘアカラーの前に確認すること

ヘアカラーを行うお客様には、安全のために毎回確認すべき項目があります。

日本ヘアカラー工業会は、理美容師向けの案内で、次に当てはまる方にはヘアカラーの施術をしないよう求めています(一部を抜粋)。

  • 今までにヘアカラーでかぶれたことのある方
  • 今までに染毛中または直後に気分の悪くなったことのある方
  • 皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の結果、皮膚に異常を感じた方
  • 頭皮あるいは皮膚が過敏な状態になっている方(病中、病後の回復期、生理時、妊娠中など)
  • 頭、顔、首筋にはれもの、傷、皮膚病がある方

同じ案内では、パッチテストは毎回必ず、ヘアカラーの48時間前から行うものとされています。

国も同じことを求めています。消費者安全調査委員会の報告書「毛染めによる皮膚障害」(2015年)は、理美容師に対して、お客様が過去に毛染めで異常を感じた経験の有無と、施術当日の肌の健康状態を確認することを求めました。

毛染めの皮膚障害の実態
消費者庁の事故情報データバンクには、毛染めによる皮膚障害の事例が毎年度200件ほど登録されています。理美容院での毛染めで、かゆみなどの異常を感じた経験がある人は14.6%。そのうち62.7%は「しばらくすると症状が治まったので特に何もしなかった」と答えています(消費者安全調査委員会「毛染めによる皮膚障害」2015年)。

お客様が自分から申し出るとは限りません。 だからこそ、シートで毎回確認する意味があります。

この確認は、お客様に記入していただくだけでは足りません。書かれた内容を施術前に必ず読み、「前回からお変わりありませんか」と口頭でも確かめてください。パッチテストの説明や、確認したことの記録の残し方は、美容室の同意書で扱っています。

5. 健康に関わる情報を集めるときの決まり

カウンセリングシートは、お客様の個人情報を集める書類です。個人情報保護法の決まりのうち、シートに直接関わるのは次の2つです。

シートに利用目的を書いておく

個人情報保護法第21条第2項は、本人から直接書面に記載された個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に対し、その利用目的を明示しなければならないと定めています。カウンセリングシートは、まさにこの「本人から直接書面で」取得する場面です。

シートの冒頭に、たとえば次のような一文を載せておきます。

ご記入いただいた内容は、施術内容の確認、安全な施術のための判断、ご予約やご来店に関するご案内のためにのみ使用します。健康に関する項目は、ご同意いただける範囲でご記入ください。

次回のご案内やお知らせを送るなら、そのことも利用目的に含めておいてください。 書いていない目的に使うと、後から問題になります。

病歴などは「要配慮個人情報」

同法は、病歴などを「要配慮個人情報」と定め(第2条第3項)、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならないとしています(第20条第2項)。既往症や服薬など、健康に関わる項目をシートで聞くなら、「同意のうえでご記入ください」と明記し、任意の項目にするのが安全です。

どの情報がこれに当たるかの判断に迷う場合は、個人情報保護委員会の案内や相談窓口で確認してください。この記事は法律の解説ではなく、シートを作るときの注意点の整理です。

書いてもらったあとの保管

紙のシートなら鍵のかかる場所に、データなら閲覧できる人を限って保管します。見られる人と保管場所を最初に決めておくことが、いちばん効く対策です。

6. 紙・タブレット・来店前のLINE、どれで書いてもらうか

カウンセリングシートの書き方は、大きく3つあります。

方法よいところ気をつけるところ
紙すぐ始められる。年配の方にも書きやすいカルテへの転記の手間。保管場所が要る
店内のタブレット転記が要らない。字が読みやすい端末の用意。来店後に書く時間がかかる
来店前にLINEなどで記入待ち時間なく施術に入れる。落ち着いて書ける来店前に案内を送る仕組みが要る

来店前に書いていただく形は、お客様が自宅で落ち着いて答えられるのが利点です。写真を添えてもらいやすく、店に着いてからの時間も短くなります。紙を好むお客様もいるので、どれか1つに決めず、併用できる形にしておくと無理がありません。

7. シートを「次回」に効かせる

シートは、書いてもらった日だけのものではありません。次の3つを決めておくと、2回目以降に効いてきます。

  1. シートの内容をカルテに移す。 特に「変えたくないところ」「会話の好み」「安全に関わること」は必ず残します。カルテに何を残すかは顧客カルテ テンプレートにまとめています。
  2. 次の来店の前に読み返す。 担当者が替わる場合は特にです。「前回、前髪は短くしすぎないようにとおっしゃっていましたね」と言えるだけで、印象が変わります。
  3. 毎回の項目だけを聞き直す。 2回目以降は、初回の項目を聞き直さず「前回からお変わりはありませんか」で確認します。

8. よくある質問

Q1. カウンセリングシートは毎回書いてもらうべきですか。 A. 全項目を毎回書いていただく必要はありません。今日のご希望と、ヘアカラーをする方の安全に関わる項目だけを毎回確認し、基本情報や過ごし方の好みは初回に聞いて、変わったときだけ更新する形が続けやすいです。

Q2. 書きたくない項目がある、と言われたらどうしますか。 A. 任意の項目は空欄で構いません、とお伝えしてください。ただし、ヘアカラーでのかぶれの経験など、施術してよいかの判断に必要な項目は、理由を説明したうえで確認してください。

Q3. 健康に関する項目を聞くとき、同意書は別に必要ですか。 A. 病歴などの要配慮個人情報は、あらかじめ本人の同意を得て取得する必要があります。シート上に利用目的と「同意のうえでご記入ください」を明記し、記入をもって同意を確認する形がとられることが多いです。判断に迷う場合は、個人情報保護委員会の案内をご確認ください。

Q4. シートに書かれたことと、口頭で聞いたことが違ったらどちらを優先しますか。 A. その場で本人に確かめてください。どちらが正しいかを決めるのではなく、食い違いを見つけたら聞き直すのがカウンセリングの役目です。確かめた内容はカルテに残します。

Q5. 紙のシートとデジタル、どちらがよいですか。 A. お客様の年齢層と、カルテへの転記にかけられる手間で決めてください。転記の手間がかかるなら、デジタルにすると記録が残りやすくなります。紙を好む方もいるので、併用できる形が無理がありません。

9. 仕組みで支えるなら

ここまでは、紙でもExcelでも成り立つ話です。シートは、聞く技量に左右されない部分を同じ粒度で集めるためのもので、掘り下げは人がやるという前提は変わりません。

そのうえでご紹介すると、私たちが提供している「LIKE」では、特許を取得したLINEカウンセリングを用意しています。お客様が来店前にLINEの中でカウンセリングに答えていただく形で、そのまま連絡先も会員として登録されます。紙の様式を好むお客様には、手書きしていただいたシートを撮影して取り込むこともできます。どの方法で集めても同じカルテにまとまり、次回のご案内を作るときにも使われます。ご案内は、送る前にサロンで内容を確認してから送ることもできます。

ただし、シートをデジタルにしても、書かれた内容を施術前に読み、口頭で確かめることの代わりにはなりません。安全に関わる項目は特にそうです。

機能の詳細はカルテ機能のページをご覧ください。

10. まとめ

  • カウンセリングシートの役割は、聞き漏れを防ぐ・口頭では聞きにくいことを集める・次回に引き継ぐの3つ
  • サロンを変えようと思った理由には「前回のことを覚えていない」「同じ話を何度も聞く」が挙がる。記録が残っていれば防げる
  • 項目は毎回と初回に分ける。使わない項目は削る。任意の項目は「任意」と書く
  • ヘアカラーの前は、過去のかぶれの有無と当日の肌の状態を毎回確認する
  • シートには利用目的を明示し、病歴などの健康情報は本人の同意を得て集める
  • 書いてもらった内容はカルテに移し、次の来店の前に読み返す

項目の一覧はカウンセリングシート 項目テンプレートから、Excelで無料でお使いいただけます。

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verified出典・参考

制度の内容は改定されることがあります。手続きの詳細・期限・手数料は所轄の窓口で最新の情報をご確認ください。 当編集部の考え方は編集方針に記載しています。

この記事について

LIKE編集部(株式会社SALON CONCIERGE)が執筆しています。 美容サロン向けにLINE連携の予約・顧客管理サービス「LIKE」を開発・運用しており、 サロンボードとの連携や予約の自動化を、実際にサロン様の現場で導入・運用してきた経験にもとづいて書いています。

構成は編集部で組み、下書きの作成には文章生成AIを利用しています。 数値と制度の記述は一次情報にあたって確認し、編集担当(山本)が内容を確認してから公開しています。

発行 — 株式会社SALON CONCIERGE(2018年2月13日設立) 発行責任者 — 代表取締役 久保 佑太 所在地 — 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-34-15 新宿エステートビル9F-A

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